猫伝染性腹膜炎(FIP)は治る?症状や予防も含めて調べてみた

致死率100%、完治不可能と言われている猫の難病「猫伝染性腹膜炎(FIP)」。猫を飼っている飼い主としては知っておきたい知識です。

そこで今回は、
猫伝染性腹膜炎は治るのか、症状はどのようなものがあるのか、基本的な情報についてまとめていきたいと思います。

猫伝染性腹膜炎とは?


まずは猫伝染性腸膜炎(FIP)について簡単に解説します。

FIPとは、猫の80%が感染している「猫腸コロナウイルス(FECV)」の変異したものです。FECVの変異の機序は判明していませんが、突然変異して「FIP」になると考えられています。

多頭飼いで発症しやすい?


日本臨床獣医学フォーラム代表「石田卓夫氏」のコラムでは、多頭飼いでFIPが発症する確率は最大で10%程度まで上昇する可能性があると指摘しています。

そのメカニズムとしては、

  1. 多頭飼いでストレスが溜まる
  2. 慢性的な炎症
  3. 免疫低下
  4. FECVが活動しやすくなる
  5. 変異

という流れで発症率が上がるとのこと。
多頭飼いをしているが、猫たちの仲が悪い場合は発症率が上がると考えられています。

また、同コラム内には「発症した猫からほかの猫へFIPウイルスが感染することは、事実上ないようである。」との記載もあり、FIPに変異した状態では猫同士の感染はないと考えられているようです。

症状


初期症状には以下のものが見られるようです。

  1. 発熱
  2. 食欲不振
  3. 嘔吐
  4. 下痢
  5. 鼻汁
  6. 体重減少
  7. 元気衰退

などなど。
風邪に似たような症状が見られることから、感染初期は猫風邪として処理されることが多い様子。

実際にFIPに感染した猫と暮らしている飼い主様のクラウドファンディングページなどを見ていると、みなさん最初のうちは風邪として処理され、後にFIPと判明されているケースが多いです。

そしてFIPが進行すると、2つのタイプに別れて症状が進行していきます。

1.ウェット型

FIPにはウェット型、ドライ型の二つのタイプがあり、それぞれ違った症状を示します。

ウェット型には以下の症状が見られます(1/2/3)。

  1. 胸水
  2. 腹水
  3. 血管炎
  4. 腹部膨満
  5. 呼吸困難

などなど。
これらの症状が見られ、後述する「ドライ型」と比較しも予後が悪いと言われています。

ウェット型は視覚的にわかりやすい症状が多いので、初期症状で風邪と間違われることは少ないようです。

2.ドライ型

ドライ型には以下の症状が見られます。

  1. 黄疸
  2. 神経障害
  3. 化膿性肉芽種
  4. 腎肥大
  5. 肝肥大
  6. ぶどう膜炎
  7. 虹彩炎

などなど。
ウェット型と比較してわかりにくい症状が多いので、判明した頃には末期という場合も少なくないようです。

そして、ウェット型ドライ型ともに現在治療方法は確立しておらず、致死率は100%と言われています。

となれば、私たちは飼い主は何もできずに、ただただ病気の進行を眺めるしか方法はないのでしょうか。

FIPの治療方法は?


「FIPは治療できないのか」と言われればその通りで、現状私たちにできるのは対症療法で様子を見ていくほかありません。

その方法としては、インターフェロンや抗炎症剤を使用して延命を図ることです。致死率が100%のため、どうしてもFIPが原因で亡くなってしまうのが現状です。

MUTIANといった新薬も登場しており、FIP治療自体の研究も進んでいるようですが、MUTIANに関しては処方できる診療所が少ないこと、かなり高額なこと、完治できる効果があるかわからないことなど、やはりFIP治療自体は困難を極めるようです。

FIPの予防は?


私たちにできるFIPの予防方法はあるのでしょうか。

先ほども紹介した石田卓夫氏は「ストレス対策」が重要であると公表しています。ストレスを対策して免疫力を強く保つといったところですね。

具体的に実施すべきストレス対策は以下の通りです。

  1. 部屋を整理し、清潔に保つ
  2. トイレを綺麗に清潔に保つ
  3. 毎日運動させる
  4. 部屋の換気や太陽光が浴びられるよう配慮する
  5. 快適な室温20~28度/湿度50~60%を維持する
  6. 飲料水は常に清潔なものを用意する
  7. 決まった時間に給餌する

私たちが気をつけられることはこのくらいですかね。

海外ではFIPのワクチンもあるようですが、その有効性も実証されていないので、私たちができることはストレス対策と環境整備くらいになりそうです。

まとめ


今回はFIPについて解説していきました。
今回の記事をまとめるとこんな感じです。

  • FIP
    猫腸コロナウイルスの変異種、免疫低下で変異しやすくなる。
  • 症状
    猫風邪様の症状にウェット/ドライ特有の症状が出現する。
  • 治療
    抗生物質による対症療法がメインになる。効果が確立していない海外の新薬を使用することができるが、値段が高価で手に入りにくい。
  • 予防
    ストレス対策と環境整備が要。
    できることから実践していこう!