【元ソシャゲ中毒者が語る】ソーシャルゲームに学ぶマーケティング手法【ソシャゲ引退のテクニックも徹底解説】

心理 社会

今回はソーシャルゲームに組み込まれている巧妙なマーケティング手法について解説していきたいと思います。

解説前に「お前はソシャゲ語れるくらい詳しいんか?」と疑問に思う方がいるとアレなので、私の実績、いや黒歴史を先に紹介しておきます。

ソーシャルゲーム利用の軌跡は以下の通りで、有名ソーシャルゲームのほとんどをプレイしてきましたし、実際に数えきれない金額を課金してきました。

実際に1万円以上課金した実績のあるタイトルがこちらですね。

・パズドラ
・モンスト
・FFBE
・白猫
・黒猫
・ツムツム
・ディスガイアRPG
・ゆるドラシル
・シャドウバース
・ドラガリアロスト
・星ドラ
・DQMSL
・DQW
・アナデン
・ゴ魔乙
・にゃんこ大戦争
・クリプトラクト
・グリムノーツ
・ランランラン
・ウインドランナー
・ワンダーフリック
・シノアリス
・消滅都市
・サマナーズウォー

過去の利用明細を見返すとこんな感じです。中には10万円以上課金しているタイトルもあったので今見返すとゾッとします. . .

そんな数多くのソシャゲにカモにされた私が、最もゲーム内でのマーケティングが上手い、人間を釘付けにさせる手法がふんだんに練り込まれていると感じたタイトルが「幻獣契約クリプトラクト」というゲームです。

このタイトルのマーケティングは頭ひとつ抜けていて「行動経済学」や「習慣科学」が全て盛り込まれている最強のマーケティングを展開しています。所詮人間も動物と思い知らされるような鮮やかなマーケティングですね。

そこで今回はこの「クリプトラクト」に練り込まれているマーケティング手法を一つずつ丁寧に解説していきたいと思います。

ログインボーナス

幻獣契約クリプトラクト ログインボーナス


これが存在しないソシャゲはないんじゃないか?」と思わされる程、どのソシャゲにも存在していますよね。

このログインボーナス、何故あるのか気に留めたことはありますか?

結論から言うと、ゲームのプレイという行動を「習慣化」させるためです。

人間は習慣の生き物といわれており、有名な研究例ではデューク大学の「人の人生は40%以上が習慣できている」というのもあるくらい。

その人生をコントロールする習慣に「ソシャゲをプレイする」という行動を埋め込むためのマーケティング手法が「ログインボーナス」といったところです。

また、ログインボーナスには「損失回避」という心理効果も期待できます。

具体例は経験した方が多いであろう「毎日貰えるものは貰わないともったいない」こう思ってログインをやめられないやつですね。

ソシャゲを日頃プレイされる方は「ログボを貰うためだけにログインしてる」こういう感覚でログインだけしてるタイトルもあるのではないでしょうか。

こうやってログインボーナスを積み上げ続けると、いざ引退しようと思った時にも損失回避が強く働いてなかなか辞めることができないと思います。

これの対処法は一つで、大きな声では言えませんが「アカウントを売る」ことですね。

引退して損を感じてしまい辞められないのであれば、アカウントを売却して合理的に引退できれば良いのです。

よく「アプリを消せ!」と助言される方がいますが甘すぎです。習慣の力はかなり強いのでまたログインしようと再ダウンロードして、引き継ぎ登録を済ませてデータをもとに戻してしまいます。

もう他人の手に渡って取り戻しようがない。」この感覚と金銭という報酬で自分を納得させる方法が一番心理的負担が少なくログボから解放される手法になります。

3時の更新

このフレーズだけで理解できる方も少なくないと思います。

そう、タイトルにもよりますが、大体お昼の3時ごろにイベント更新がありますよね。

そして、3時ごろに更新されたイベント内容が気になりログインする。仕事中であってもトイレにスマホを持っていって確認する。

これも先程のログインボーナスと同じ習慣化のテクニックが使われているのと、もう一つはドーパミンを過剰分泌させる目的があります。

ドーパミンというのは快楽ホルモンと言われており、あらかじめ報酬が期待できる行動をとる前に分泌され、私たちに快楽を与えてくれるものです。

この機能がなぜ私たちに備わっているかというと、狩猟採集時代には「今日は木の実がいっぱい取れるだろう」と想像することで「木の実を探す行動」に快楽を得られるようにして生存を有利にしたからです。

なので、実際の報酬を得られた瞬間ではなく、報酬が発生する前に過剰に分泌される構造になっています。

そして話を戻して、3時のイベント更新ですね。

ゲーム内イベントが来るというのは大抵私たちにとって嬉しいことです。この嬉しい出来事が起こると予測される状態が毎日の3時にやってくるということです。

つまり、私たちの脳は3時の更新時にゲーム内画面を確認する前に大量のドーパミンを分泌し、イベントを確認して落胆あるいは幸福感を感じるように操作されています。

イベントが来なくて落胆しても、来ていて幸福感を感じても結果は関係ありません。ドーパミンが分泌される行動、この行動自体に脳が中毒状態になるからです。

脳はこのドーパミンが分泌される行動が大好きですし、ドーパミンには中毒性があります。

例えば、ギャンブルで当選する前やポルノの視聴中などにもドーパミンがドバドバ分泌されます。ギャンブル中毒やポルノ中毒はこのドーパミンが原因で起こっているようなものです。

ソシャゲのガチャもこのドーパミンが原因で課金を煽るようにできていますし、ガチャを回す前が一番ドキドキして幸福だったりしますよね。

そこでお目当てのキャラが当たろうものなら、次回以降のドーパミンの支配がかなり強固になります。限定キャラの当選は、アプリ内で当たりでも人生ではハズレなのです。

これの対処方法はもはや理解するしかありません。

人間には「心理的リアクタンス」という何かを強制されたり、操作される場合に「反発したい!」と思う欲求が備わっています。

この欲求の力を使い「私たちを中毒にしようとしている!」と理解し運営側に反発することで、対処する他ありません。

相手は習慣の力を操ってきているので、意思の力で対抗する「心理的リアクタンス」では少し役不足なところではありますが、こちらも人間の特性を理解しながら持てる武器を最大限に使い抵抗していきましょう。

有名な「FLOWER KNIGHT GIRL」のじゃぶじゃぶ課金画像載せておきますね。

FLOWER KNIGHT GIRL


1日2回無料のノーマルガチャと毎日1回無料の有料ガチャ

ソシャゲの一大イベント「ガチャ」ですね。

クリプトラクトでは1日2回のノーマルガチャ10連が無料で、1日1回のレアガチャが無料です。


この「無料ガチャ」のマーケティング手法には以下のものが練り込まれています。

・習慣化
・損失回避
・ドーパミンドバドバ
・広告での周知

広告以外は解説済みですので、なんとなく理解していただけると思います。では「広告での周知」とはなんなのか、これを解説していきますね!

まず、下記のクリプトラクのホーム画面を見ていただきたいのですが、ガチャの部分に「!」の通知がついているかと思います。

幻獣契約クリプトラクト ホーム画面


この通知は「無料で引けるガチャを引いていないよ!」と知らせるためのもので、ゲームを有利に進めたいプレイヤーにはありがたい仕様です。

そして、無料ガチャを引こうと「ガチャ」のボタンを押すと表示されるのがこの画面です。

幻獣契約クリプトラクト ガチャ画面


有料ガチャ」を引く画面に飛びます。

期間限定の華やかなキャラクター達が私たちの目の前に飛び込むわけです。そして「ガチャる」のボタンを押せば手に入る可能性がある。

この時私たちの脳内では「パブロフの犬」の如くドーパミンがブワッと分泌されます。この追加でドーパミンを分泌させる行動を1日2回半ば強制させるのが無料ガチャの仕組みです。

企業が100万円単位で出す広告を無料ガチャを引かせるだけで見せることができる。超合理的なマーケティング手法ですよね。

無料より高いものはないというのはこういうことで、好きで課金する分には良いのですが、課金した後に後悔されるような方は「限定ガチャ」が来ている場合、そもそも無料ガチャを引かないか「心理的リアクタンス」で耐えるかの2択しか対抗手段がないです。

ガチャに関しては「損失回避/ドーパミン/広告での認知」これら最強のフォーメーションで私たちの心を揺さぶるので手ぶらで勝てる相手ではありません。

極力視野に入れずに認知しないか、心理的リアクタンスで「操られてたまるか!」と理解し反発することで対処していきましょう。

課金石の大量配布

幻獣契約クリプトラクト 闘技場報酬


石=ソシャゲ内通貨」として認知されるようになったのはパズドラブームからでしょうか。そのうち広辞苑に「石=ソシャゲ通貨」として載りそう。

そしてこのゲーム内通貨となる「」ですが、これを大量に配布するのは合理的なマーケティング手法であるといえます。

え!?ゲーム内通貨を配布して合理的?」と思うかもしれませんが、石を使って得られる快感を覚えさせるという行動を刷り込むためには効果的な手法なのです。

ガチャを回す前にドーパミンが出るという話をしましたよね。このガチャを回してドーパミンが出せる行動の敷居を下げるとゲームへの没頭率が上がります。

私たちの脳はゲームが楽しいから続けたいと思うのではなく、ガチャを回すとドーパミンがだせるから続けたいと思うようにできているのです。

なので、ストーリーをクリアしたり、イベントをクリアすることで大量にドーパミンを出させた方がゲームの離脱率が下がりますし、ガチャで爆死した際も「次の限定ガチャまで貯めるか」と立ち直りやすいです。

しかし失敗ではありませんが、これらをうまく活用できていない例もあります。

具体的には「白猫プロジェクト」という石を大量配布していたタイトルですが、こちらは良心的すぎました。なぜなら、石の配布料も長期間減らしませんでしたし、最高レア度のキャラが10%で出現し、かつ最高レア度のキャラ自体の母数も少ないのです。

そのため、限定キャラが容易に当選するシステムだったので課金者と無課金者の差が大きくつかなかったんですよね。白猫に関しては元々1体キャラがいれば完結することもあって、パーティ全員を課金キャラで揃える必要がないところも課金者優遇ができていなかったポイントと言えます。

白猫の反省点を活かして、これをがっつり中毒的に仕上げるのであれば、以下の通りにすると1発KOで中毒化できます。

・最高レア度のキャラの母数を増やす
・キャラに役割を持たせる(パーティ制)
・当選率は5~8%まで
・石の配布は生かさず殺さずの量(月/30~40連分ほど)

この基準を満たせばとりあえず、配布石だけでも十分に無課金プレイヤーを中毒状態にすることができます。クリプトラクトは全てを満たしています。

課金するプレイヤーというのは自身が他のプレイヤーより有利に進めるためにお金を使います。課金者は無課金者がいて初めて成り立つのです。そのため運営は無課金者を生かさず殺さずの中毒状態にさせ、課金者の優越感を維持するための道化として飼い慣らす必要があります。

かなり言葉が悪いですが、ビジネスの世界は残酷で、私たちの生きる資本主義の世界は残酷なのです。

無課金でも継続すれば強いキャラクターが手に入る

幻獣契約クリプトラクト 暁の五帝(限定ガチャキャラと肩を並べる無課金キャラ)


無課金でも毎日コツコツ続けていれば強いキャラクターが手に入る」これ魅力的ですよね。

クリプトラクトでは、限定キャラクターに見劣りしないレベルのキャラクターが無課金でも手に入る仕様になっています。

幻獣契約クリプトラクト 3ヶ月プレイすることで手に入る無課金強キャラ「ヤオヨロズ」


なぜ、このようなシステムを追加するのか。理由は以下の通りになります。

・無課金者忖度
・習慣化
・ドーパミン分泌

無課金者を忖度する理由は、課金者のための道化でいてもらうためですね。生かさず殺さず、ガチャ産キャラが当たらなくてもモチベーションが保てるセーフティネットの役割を果たすのが無課金強キャラです。

習慣化との関係は「毎日コツコツ続けさせる」ことですね。人の習慣は60日で確立するとメンタリストDaiGoも言っていましたが、その期間のプレイを継続させるために無課金強キャラは最高の報酬であると言えます。そして、クリプトラクトの無課金強キャラを手に入れるまでにかかる期間は「2ヶ月~3ヶ月」。

完璧な布陣ですよね。

ドーパミンですが、これは「あと○日であの強いキャラが手に入る」と思いプレイすることでドーパミンが分泌されます。

手に入る期間が短くなれば短くなるほどドーパミンの分泌量も増えてくるので、手に入れた頃には射幸心とドーパミンで中毒の漬物人間が出来上がります。

期間限定ガチャ

幻獣契約クリプトラクト 限定ガチャ 超召喚祭


これはどのタイトルにもありますよね。

この心理効果は「スノッブ効果/希少性/損失回避/ドーパミン」が関連しています。

スノッブ効果は「期間限定のものに魅力を感じる」という心理効果で、期間限定のチョコやグッズが欲しくなるあの心理です。当然期間限定キャラにもこの心理が働きます。

そして希少性。
影響力の武器でも語られていましたが、私たち人間は数の少ない希少なものほど欲しいと感じます。期間限定キャラも例外ではなく、手に入れているプレイヤーが少ないと推測されるため希少性が働きますし、そのキャラクターを所持していることに優越感を感じます。

そしてクリプトラクト。
このゲームのすごいところは限定ガチャの種類が豊富であること。そのガチャイベントでしか手に入らないというガチャが「7種類」もあるので、希少性が分散され、キャラクターが更なる付加価値を生んでいます。

【クリプトラクトの限定ガチャ一覧】
・召喚祭
・超召喚祭
・ヒロインオブセントレア
・クリプトラクトコレクション
・歴戦英雄ガチャ1
・歴戦の英雄ガチャ2
・神話ガチャ

各ガチャでしか出現しないキャラが1ヶ月毎にローテーションで出現します。

ドーパミンは解説しなくても大丈夫かと思いますが、損失回避に関しては以下が働くメカニズムになります。

1.準備(石を貯める)
2.ガチャ
3.爆死
4.今まで貯めた石がなくなるのに収穫なし(損失)
5.課金してせめて1体でも当たりを!(損失回避)

まとめ


ざっと思いつくのはこんなところですかね。

どうでしょうか?
ソシャゲ引退に関しては、知識のないまま勝てる相手ではないことが理解できたのではないでしょうか。

それもそうです。
賢い大人達が大量の資金を投入して、私たちの脳を病みつきにする手法を考えて今のソシャゲ市場が完成しているのです。

こういった構造はソシャゲ市場だけではないです。少し話は変わりますが、マイケルモス著の「フードトラップ」では市販のファーストフードや菓子類には人間が病みつきになる「脂肪/塩分」の量が計算されて組み込まれており、それには「至高ポイント」という名前がついてると解説しています。

この資本主義社会では、いかに消費者を依存させ資金を巻き上げるかということに企業は注力しています。詐欺師は大体笑顔という言葉あるように、私たちは知識をつけて自分の身を守る必要があります。

そして大前提ですが、私自身ソシャゲのプレイや課金自体を否定したいわけではありません。いまだにクリプトラクトを自分のペースで続けていますし、私はゲームが大好きです。

ですが「依存によって作られた幸福感」ではなく、自身が本当に幸せだと感じてプレイできる範囲内で、ゲームを楽しむことができればと思い今回の記事を執筆しました。

全ソシャゲプレイヤーやそれに従事する人の参考になれば幸いです。

今回の記事はここまで。

またね。