空腹時のコーヒーで本当に胃は荒れるのか

栄養 生活

年末ということで、兄と実家で会うことになった。

私たち兄弟はコーヒーが好きなので、コーヒーを飲もうという話になったが、兄は拒否。

なんでも「空腹時のコーヒーは胃を荒らすから」とのこと。

「空腹時のコーヒーは胃を荒らす?

聞いたことはあったものの意識したことはなかった。

デカフェコーヒーではあるものの、朝一の空腹時にコーヒーを毎日飲んでいるし、カフェインの入っているコーヒーも空腹時でガンガン飲んでいる。

しかし、
今まで胃が荒れたり腹部に不快感を感じることがなかった。

だが、私の主観では感じることのできないレベルで胃が荒れ、消化に影響を及ぼしているのであれば一大事。

ということで今回は、
コーヒーと胃荒れの関係性について調べていきたいと思う。

苦味によって胃酸分泌量が増える

2018年に書かれた「苦味による巧妙な胃酸分泌調節メカニズム」という記事では、苦味というのは元々人間にとっては危険を知らせるもの。

その危険な「苦味」が胃に入ることによって、それを除去する働きが起こり、胃酸の分泌が増えると解説されている。

つまり、
苦味の成分であるモザンビオシド/カフェイン/ベンガレンソール/カフェストール/カーウェオール(1)これらが胃に入ることで胃酸の分泌が促進されるとのこと。

デカフェコーヒーを飲んだことがある方ならわかると思いますが、苦味成分はカフェインだけではないので、デカフェコーヒーでも同様に胃酸の分泌が促されそうです。

胃酸の分泌が増えると胃が荒れるのか?

そもそも、
コーヒーを飲んで胃酸が増えれば胃が荒れるのか。

胃というのは元々1cm程度の胃粘液を張り巡らせることで胃酸を中和し、胃自体が溶けないようになっているが、胃酸が増えることでこの粘液を突破して胃に影響を与えているのか。

2013年 全日本コーヒー協会の記事では、8013人を対象としたコーヒーと胃酸が関連する疾患についての因果関係を調べた研究が紹介されており、

「総合的にみると、コーヒーが酸関連疾患として頻度の高い4疾患に与える影響は今回の疫学的な解析では認められないという結論になりました」

引用:全日本コーヒー協会 コーヒーと胃潰瘍。関連は認められない?

との結論が出ている。

また、
50以上の論文を使ったメタ分析の結果でも以下のような結論になったとのこと。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍については、過去の既報データに今回の結果を加えた「メタ解析」も行なった。メタ解析とは複数の比較試験の結果を統合して、より高い見地から分析する手法のことである。

「日本と海外で50以上の論文を調べました。そのなかにはメタ解析で使えないようなものも交じっていたので、取捨選択には相当時間がかかりました」

 その結果でも、コーヒーの摂取と胃潰瘍、十二指腸潰瘍とのあいだに関連は認められなかった。

コーヒーは危険因子でもなく、予防(安全)因子でもないというのが現時点での結論で、今のところ『関係ない』だろうと考えています」と山道さんは語った。

引用:全日本コーヒー協会 コーヒーと胃潰瘍。関連は認められない?

コーヒーは胃酸疾患を予防することもなく、悪化させることもないとの結論に至ったそうです。

つまり、
コーヒー単体が胃酸に与える影響は私たちに疾患をもたらすレベルではないと言えそうですね。

しかし注意は必要!

コーヒー単体が胃を脅かすことがなくても、他の因子と絡み合っている場合は注意が必要です。

それは以下が該当します。

ストレス:自律神経失調
喫煙:血管収縮→胃の酸欠→機能低下/プロスタグランジン低下
薬剤:鎮痛/解熱薬の服用でプロスタグラジン産生の抑制
アルコール:胃の運動機能低下/胃粘膜へのダメージ

ストレスによって、自律神経のバランスが崩れると「交感神経/副交感神経」の切り替えが上手くいかなくなります。

交感神経が優位の時には胃酸が少なく、副交感神経が優位な時には胃酸が多くなり胃に最適な環境が保たれますが、ストレス過多になるとこれらのバランスが崩壊します。

ストレスで胃に穴が開く」という表現がありますが、あながち間違いではないですね。ストレス過多の状態でコーヒーを摂取することで、さらに胃に追い討ちをかける可能性も示唆されるので、ストレス過多時で空腹の際は注意したほうが良さそうです。

そして、喫煙ですが胃の血流を低下させたり、胃粘膜の防御因子を減らすプロスタグランジンの生成を阻害することで胃を追い詰めます。

喫煙後の空腹時のコーヒーは避けたほう良いかもしれないですね。

というか、
喫煙している人がコーヒーで胃が荒れる程度のことを気にするのだろうか. . . 。

鎮痛剤などの薬剤は、痛みの素となるプロスタグランジンの生成を阻害することで、胃粘膜の防御力を阻害します。また、薬を食事と勘違いした胃が胃酸の分泌量を増やすこともあります。空腹時の鎮痛剤とコーヒーの飲み合わせは避けたほうが良さそうです。

また、
大量のアルコールは胃の運動機能を低下させたり、胃酸と胃粘液のバランスを崩壊させたりもします。そもそも大量の飲酒自体体に悪いので避けたほうが良いですね。

まとめ

今回のまとめは以下になります。

・コーヒーの苦味成分が胃酸の分泌を促進する

・コーヒー程度の胃酸分泌では胃酸疾患系の病気と相関関係はない

・しかし、喫煙後/ストレス過多/鎮痛剤服用後/大量飲酒後などは摂取を避けたほうが無難

こんな感じですかね。

空腹時のコーヒーでなんの違和感もない私は今まで通り、空きっ腹でもガンガン飲んでいこうかと思いますが、空きっ腹で飲んで違和感が出現する方は一度ストレスや喫煙、薬剤、飲酒などの因子を考慮してから飲むようにしたほうが良さそうです。

また、
カフェインの処理能力については遺伝的な差が激しいようなので(2)、こちらも考慮しながら楽しいコーヒーライフを過ごしてもらえればと思います。

それでは今回の記事はここまで

またね。