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1日分の野菜の嘘と罠【保健師が詳しく解説】

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今回のテーマは「1日分の野菜」です。

本記事では以下の疑問を解説します。

  • 1日分の野菜ってどのくらいを言うの?
  • ジュースで摂るのはどうなの?
  • 弁当にある1日の3分1の野菜系はいいの?
  • そもそも野菜を摂る意味は?
 
【もくじ】

 

1.1日分の野菜の嘘と罠


「1日分の野菜ジュース」「1日の1/3の野菜が摂れる唐揚げ弁当
といった感じの商品が蔓延している昨今で「野菜を摂ろう!」と考え、こういった商品が手に取られることが多いかと思います。

果たして「これらの商品を食べ続ける」ことで、野菜不足は解消されるのでしょうか。

答えは「NO」です。
 

野菜ジュースは圧倒的に「食物繊維量」が少なかったり、その野菜特有の「細菌」がいなかったり「ビタミン」、「ポリフェノール」が少なく栄養価も偏りがちです。

また、「1日の1/3の野菜が摂れる」系の食品にも注意が必要です。


「1日の1/3の野菜が摂れる」という食品の内わけが

もやし:80g
キャベツ:20g
ニンジン:5g
キュウリ:5g


みたいな感じであることも多く、こちらも栄養価の偏り、食品の多様性の面からも「1日の3分の1の野菜が補える!」とは到底言えないところです。

そもそも1日分の野菜ってどれくらい?

厚生労働省(1)は1日分の野菜の摂取を「350g以上」と設定しています。


その内訳は「緑黄色野菜120g」「その他の野菜230g」となっていますが、そこまで覚えておく必要はありません。

要は「いろんな色の野菜を食べる」意識をすればよいです。

そして、この「350g」を指標として各社は製品開発を行っている現状があります。

つまり、350g分の野菜や野菜の汁を使用すれば、それが「もやし350g」であっても「1日分の野菜」と名乗ることができるというわけです。


1日分の野菜系の食品を摂り続けることは、こういった「偏り」が生じるリスクが大きくなっています。

そうなってしまえば「焼け石に水」どころか、悪影響となる可能性もあるので食品選びには注意する癖をつけたいところです。

2.1日分の野菜が摂れるという野菜ジュースの罠


「1日分の野菜が摂れる!」「野菜はこの1本でいい!」
と謳う野菜ジュースが様々な企業から発売されています。

しかしながら、市販の野菜ジュースを飲むだけでは1日分の野菜の栄養を得ることは難しいです。

その理由を、野菜ジュースの「メリット」「デメリット」の側面から見ていきましょう。

 

【野菜ジュースのメリット】
・お手軽で継続性が高い
「リコピン」「βカロテン」が野菜より効率的に摂れる
・特定の栄養素の摂取に特化したものがある
・最近のものは美味しい

 

【野菜ジュースのデメリット】
・カロリーあたりの「食品満足度」が高い
・脳の「食事報酬」が上がる
・野菜特有の細菌が摂れない
・食物繊維の量が少ない
・ポリフェノール量が少ない
・ビタミン量が少ない
・脂溶性ビタミンの吸収効率が悪い
・果糖摂取過多になりやすい


市販の野菜ジュースのメリットは「おいしくて手軽」であることや「リコピン」「βカロテン」を効率的に摂取できることが挙げられます。

しかし、そのメリットを覆い隠すだけのデメリットが存在します。


市販の野菜ジュースはカロリーあたりの食品満足度が低く、脳の食事報酬を上げることで「肥満」のリスクが上がります。(難しい言葉を使っていますが、要は「お腹が満たされず食欲が増える作用がある」ということ。)


また、油と一緒に摂取することで吸収率の上がる「脂溶性ビタミン」を効率的に摂取することができず、極めつけは「食物繊維」の量がかなり少ないです。


市販の野菜ジュースに含まれている食物繊維はおよそ「3g」程度。

そして、厚生労働省の定める食物繊維の摂取目標量は

 

・男性:20g以上
・女性:18g以上



となっており、「目標摂取量の1/7程度」の量になっています。


厚生労働省の定める数値は「目標量」であり、摂取の「最低値」になります。なので、これを超えて食物繊維を摂取していく必要があります。


食物繊維の摂取量を「10g」増やすたびに総死亡率が「11%低下」するという研究(3)も報告されており、日常的に摂取する食物繊維は目標量以上を目指すメリットが大きいです。

そして具体的な食物繊維の摂取量ですが、目標量の倍である「40g」を目指せればよいと考えます。

この40gというのはオーストラリアの先住民族(アボリジニ)の食物繊維の1日摂取量(4)で、彼らは1日に「40g~80g」の食物繊維を摂取し、生活習慣病や血管疾患とは無縁の健康的な暮らしをしています。

そのため、大まかな食物繊維の摂取量の指標としては、この「40g」という数値を参考にすると良いでしょう。

話が食物繊維にずれてしまいましたが、これらの理由から市販の野菜ジュースのみで「野菜」を補うことは不可能ということが分かります。

3.結局は野菜を食べた方がいい話


結局のところ、野菜を補うには「野菜を食べるしかない」です。

その理由として、

・食物繊維をしっかりとるため
・ビタミンをしっかりとるため
・野菜のポリフェノールをしっかりと摂るため
・より健康に生活するため

などが挙げられます。

 

そして、野菜を摂取することで以下の疾患の予防効果も見込まれます。

・高血圧
・がん(大腸癌、乳がん、胃癌)
・高脂血症
・心疾患
・脳卒中
・糖尿病
・骨粗鬆症
・うつ病


これらの疾患は死に直結するものが多く、「生命」「生活」を脅かすものになります。


極端な話「これらが原因で死んだり不自由な思いをしたくなければ野菜を食べておこう」ということです。

 

とはいえ、野菜は調理や摂取が少し面倒な側面があります。その中でも比較的手軽に食べられるものはとしては、

・カット野菜
・冷凍野菜
・コンビニの冷凍フルーツ


などが挙げられます。


都会の方では「アマゾンフレッシュ」といった野菜配達サービスもあり、ますます野菜を生活に取り入れやすい世の中になっています。


田舎の方では「道の駅」を利用することで新鮮なとれたて野菜を購入することができます。

意識して野菜を取り入れることは質の高い「先行投資」として、将来に必ず寄与します。思い立った今日から野菜の摂取量を増やしてみましょう。

まとめ

今回は「1日分の野菜」をテーマに解説しました。

本記事の内容を以下にまとめます。

  • 1日分の野菜は「350g」を目安にしていることが多い
  • 市販の野菜ジュースは「350g」分の野菜、果物の汁。
  • 「350g」の野菜を使用していれば「もやし350g」でも1日分の野菜
  • 野菜ジュースのみで「野菜」を補う事は不可能
  • 野菜の摂取量を増やしていこう!


本記事のまとめは以上になります。

「うまい話には裏がある」といったように、市販の野菜ジュースで野菜を完結させることは基本的には不可能です。


もともと野菜ジュースは「野菜摂取の補助」として確立したもので、これだけの摂取を推奨するものではないんです。


野菜ジュースに関しては過去の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご一読ください。





【参考文献】

(1)厚生労働省 平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要

(2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

(3) Institute of Hospital Management, Chinese PLA General Hospital(2015), Fiber consumption and all-cause, cardiovascular, and cancer mortalities: a systematic review and meta-analysis of cohort studies.

(4) Human Nutrition Unit, Department of Biochemistry(1998), Australian aboriginal plant foods: a consideration of their nutritional composition and health implications.

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