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カット野菜は栄養もあるし危険性もない話【保健師が詳しく解説】

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今回のテーマは「カット野菜」です。

本記事では以下の疑問を解決します。

  • カット野菜って栄養あるの?
  • 消毒してあるし体に良くないんでしょ?
  • いつまでも変色しないし、やばいんじゃ...
  • カット野菜の危険性が知りたい
 
【もくじ】

 

1. カット野菜は栄養もあるし危険性もほぼない話



スーパーやコンビニと、どこにでも置いてある「カット野菜。」


袋を開ければそのまま食べることができ、人によっては「袋の中にドレッシングを入れて振る」という食べ方までしている大人気商品。

このカット野菜ですが、世間では「栄養がない!」「発がん性がある!」など「栄養価」「危険性」について審議されている現状があります。

結論から申し上げますと「カット野菜は無罪」です。


新鮮な野菜と比較するとその栄養価は劣るものの、しっかりと栄養がありますし安全性も高い製品であると言えます。

 

まずは「カット野菜がどのように作られるか」その製造工程から確認していきましょう。

カット野菜はこうして作られる!

カット野菜は以下のような手順で作られます。

 

1. 洗浄
2. カット
3. 洗浄
4. 脱水
5. 梱包
6. 出荷

 

1.洗浄

まずは、野菜を洗浄します。

野菜を洗うというとてもわかりやすい項目ですね。

使用される水は「水道水」「地下水。」


水道水を使用する際には「次亜塩素酸」があらかじめ含まれているので次亜塩素酸を添加しないこともありますが、地下水の場合は後から添加します。

2.カット

ここでいうカットは人の手でカットされることもあれば、機械によってカットされることもあります。

機械でカットされたからと言って「安全性」「栄養価」は変わりません。

ここで一口サイズになり、調理しやすい大きさにカットされます。

3. 洗浄(2回目)

カット後再び洗われます。

世間で認知されているカット野菜の「消毒」はこの工程のことを指すことが多いです。


ここで使用される「次亜塩素酸」の濃度は「1000ppm」で水道水のおよそ「1000倍」の濃度で消毒されますが、

その後は水道水よりも濃度の低い「0.3ppm」以下の残留濃度になるまで洗浄し、塩素は取り除かれます。


カット後の野菜を洗浄するので「水溶性ビタミン」の量がここで減少してしまいます。

4. 脱水

野菜に残された水分を吹き飛ばします。

工場によってその方法は様々で、空気をあてて飛ばすタイプの物もあれば、水泳場によくある「濡れた水着を脱水する装置」みたいなので脱水するものもあります。


どちらもただ脱水するだけなので「安全性」「栄養価」に変わりはありません。

5. 梱包

カット野菜を梱包します。


適度に「脱気」できるように梱包することで野菜の「品質劣化」を防ぎます。

野菜によっては「真空パック」が適用されることもしばしば。


「カット野菜がいつまでも変色しないのはおかしい!」といろいろなところで聞きますが、

それに関しては「特別な薬品」を使用するわけではなく「品質管理」がしっかりなされているからなんです。


袋を開けて放置すればカット野菜もすぐに「変色」してしまいますし、スーパーでも私たちの目に入るよりも早く、変色した野菜は廃棄されます。


そのため、私たちは「変色したカット野菜」というものを普段お目にかかることがめったにないんです。

6. 出荷

「品質」を守るために冷蔵出荷されます。

これらの加工行程の概要を見てもらえばわかるかと思いますが、カット野菜の業者は「品質管理」をしっかりとしてくれてるんですね。

 

これらの製造工程の概要から、あらかたの安全性は理解できたと思います。


ここからは、もう少し深く「安全性」「栄養」に踏み込んでみていきましょう。

2. カット野菜は安全である


カット野菜を食べることに大きなリスクはありません


全ての食品には摂取をするリスクがあるので完ぺきに「安全」とは言えませんが、リスクは高くないと言えます。


まず、世間で健康被害がささやかれている「次亜塩素酸ナトリウム。」


これは毒性の強い物質で体内にはいることで「消化器出血」「嘔吐」「腹痛」など消化器系への健康被害が起こります。


「それじゃ...カット野菜やばいじゃん...」と思ってしまいがちですが、カット野菜に含まれている次亜塩素酸の残留濃度は「0.3ppm」となっています。

これはとても低い数値で、水質が非常に高い日本の水道水ですら「0.1mg/L以上」の塩素濃度を基準に、ほとんどの水道局では「1mg/L以内」の塩素濃度を設定しています。


この「1mg/L以内」をppmに変換すると「1000ppm/L以内」になります。


WHO(世界保健機構)の「飲料水水質ガイドライン」(1)では、「5㎎/L日以内」であれば、生涯にわたって塩素入りの水道水を飲んでも人の健康に影響は生じないとしています。

なので、カット野菜に含まれている程度の次亜塩素酸が原因で病気になろうと思えば、現実的に食べきれる量ではないんですね。

クロロホルムと発がん性問題

次亜塩素酸が「クロロホルム」を作り出すという問題。

クロロホルムは「発がん性があるのでは?」と言われている成分で「カット野菜=発がん性」と言われる所以となっている成分です。

カット野菜は次亜塩素酸を使って消毒しているわけですから「クロロホルムがぁ!」と叫ばれる理由もわかります。

しかしながら、野菜を10分間次亜塩素酸に浸した実験(2)では、「クロロホルムは0.07ppmしか生成されなかった」というデータがあります。

これは水道水に含まれるクロロホルムと同程度の量で、健康に被害を与える量とは思えないところ。

そして、このクロロホルムですが「発がん性があるのでは?」と言われていますが、国際がん研究所(IARC)では「グループ2B」に分類されており、


「ヒトに対して発がん性の可能性がある」


と発がん性が確定している成分ではなかったりします。


「コーヒー」も2016年まではグループ2Bに属していたこともあり、発がん性に関してはコーヒーと同レベルの危険性と考えれば含有量も非常に少ないことですし、怖がりすぎる必要はないのかもしれません。

(※コーヒーは現在グループ3に昇格)

3.カット野菜にも栄養がある

カット野菜にも栄養があります。

冒頭でも話した通り「洗浄」の段階で水溶性ビタミンが減少(3)してしまいます。具体的には、

・ビタミンB1:50%減
・ビタミンB2:50%減
・ビタミンC:30%減

 

「50%も減ったの!?」と思うかもしれませんが、茹でたりお鍋にしてもそれくらいビタミンは減ってしまいます。

新鮮野菜をその日に食べてしまう事と比較すれば「細菌叢」「栄養価」に関しては新鮮野菜の圧勝ですが、カット野菜にもメリットがあります。

カット野菜のメリット】
・生ごみが出にくい
・手軽
・食べやすい


そして、水溶性ビタミンは減ってしまいますが、食物繊維や脂溶性ビタミン、ミネラルなど主要な栄養素も含まれているのでカット野菜を食べる意義はあると言えます。

そして、カット野菜を避けることで「野菜を食べない」という選択をしてしまえば「その方が健康に悪影響」です。

前回の冷凍野菜の記事でも話しましたが「野菜を食べない選択」をしてしまうことが一番リスキーなので、カット野菜もガンガン食べてもらえればと思います。

【参考】
・なぜ野菜は食べないといけないか

まとめ

今回は「カット野菜」をテーマに解説しました。
本記事の内容を以下にまとめます。

  • カット野菜は製造過程でしっかりと品質管理されている
  • 塩素の残留濃度やクロロホルムの残留濃度から危険性は高くない
  • 水溶性ビタミンの量は減るが基本的にはしっかり栄養がある。
  • 野菜を食べない選択が一番健康に悪い。カット野菜もガンガン食べよう!

本記事のまとめは以上になります。

冷凍野菜、カット野菜をどんどん食卓に取り入れてもらえればと思います。





【参考文献】

(1) WHO 飲料水水質ガイドライン

(2) 久保田浩樹,佐藤恭子(2012),次亜塩素酸ナトリウム処理によるカットキャベツからの揮発性ハロゲン化合物の生成

(3) 市川富夫,飯沢裕美(1987), 野菜類の次亜塩素酸ソーダによる殺菌処理時におけるトリハロメタンの生成とその除去方法ならびにビタミン類の変化について

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