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精神看護とコーヒーの関係

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今回のテーマは「精神看護とコーヒー」になります。

本記事では、以下の疑問を解説します。

  • 精神疾患の利用者にコーヒー飲んでもらっていいの?
  • 精神疾患の人はカフェイン禁忌でしょ?
  • 飲んでいいなら具体的な理由が知りたい
  • コーヒーを看護に生かすことはできない?
 
【もくじ】

 

1. 精神看護とコーヒーの関係


精神看護の世界ではコーヒーが「禁忌」として扱われていることが多いと思います。

実際に私がかかわる利用者も「病院でコーヒーはダメだって言われた」と話すことがあり、同僚の看護師や保健師も「精神疾患の人にコーヒーはだめ」と言います。

はたして、なぜコーヒーは精神疾患の方には「禁忌」として扱われることが多いのでしょうか。


その理由はカフェインによる副作用が原因となっています。

カフェインの副作用?

カフェインは中枢神経系を刺激することで副作用を起こすことがあります。
具体的には以下の症状(1,2,3)です。

 

・不安
・焦燥感
・興奮
・動悸
・震え
・不眠症
・下痢

 

これらの症状を見ると、どれも「精神状態」に関係する副作用であることが分かります。


つまりは、これらの副作用が出現することによって「精神症状の悪化」が考えられるため、コーヒーが「禁忌」とされているということ。

 

なんとも理にかなった理由。
この副作用を見る限り精神的には「絶対悪」に見えてしまうコーヒーさんです。

2. コーヒーは自殺率を減らす


しかしながら、コーヒーは自殺率の減少に関係しているという研究も存在します。

 

ハーバード大学の研究(4)では、1日に2~4杯のカフェイン入りコーヒーを飲んだ成人の自殺リスクは、デカフェコーヒーを飲んだ、またはコーヒーを飲まなかった人々の約半分だったと報告しています。

 

約半分というと、自殺率が50%低下したという事。


普通にすごくないですかこれ...

 

なんでも、カフェインは中枢神経系を刺激して悪さをするだけでなく、「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」などの物質の産生を促し、ちょっとした「抗うつ薬」と同じ効果を発揮させている可能性があると研究者は言います。

 

この研究で研究者は以下のように話しています。

 

“Overall, our results suggest that there is little further benefit for consumption above two to three cups/day or 400 mg of caffeine/day,”

 

これを要約すると

 

1日に2~3杯のコーヒーを飲んでいる人と400mgのカフェインを摂っている人に違いはなかった。400mg以上飲んでも恩恵は得られない。

 

とのこと。

自殺率を下げる効果は2~3杯までは効果が上がり続けるが、それ以降はあまり変わらないんですね。


こういう研究を見ていると「精神疾患があってもコーヒーを飲んでよさそう」と思えてきます。

3.コーヒーのアロマ効果


コーヒーの香りには「アロマ効果」があります。

具体的には

・リラックス効果
・集中力、脳の活性化

これらが挙げられます。

コーヒーの香りが嫌いであれば逆にストレスの原因となってしまいますが、「いい香り...」と感じる場合はリラックス効果を得ることができます

また、集中力を促進する効果もあるため、集中力を欠くことが多い精神疾患の方には作業前にコーヒの香りを嗅ぐことをお勧めできるかと思います。


ちなみに、コーヒーの種類によって「リラックス効果」、「集中力効果」に違いが見られます

出典:全日本コーヒー協会 「コーヒーと健康」


この画像の通りだと、

・リラックス効果最強は「ブルーマウンテン」
・集中力効果最強は「ブラジル」
・平均的なのが「ブルーマウンテン」

になりますね。
コーヒーの種類で悩んだ際は「ブルーマウンテン」、集中力を上げたいときには「ブラジル」のコーヒーを選ぶとよさそうです。

4.カフェイン感受性の話


先ほどの話から「精神疾患の人でもコーヒー飲んで良さそうじゃん」と思ってしまいそうなところですが、カフェインには「感受性」というものがあり、おおまかには3種類に分けられます

  • 1.カフェインの感受性が低い人
  • 2.カフェインの感受性が中等度の人
  • 3.カフェインの感受性が高い人

感受性が高い人ほどカフェインの影響を受けやすく、低い人ほどカフェインの影響を受けにくいです

感受性の高い人は、およそ1杯のコーヒーであっても「動悸」「焦燥感」「不安」「不眠」が出現すると言われています。

私自身、「コーヒー禁忌問題」に関してはここが一番のポイントだなと思っておりまして、カフェイン感受性が高く「不安」「焦燥感」「動悸」などの精神症状が出現しやすい人はカフェインを避けた方が無難であると考えます

反対にカフェイン感受性が中等度~低い人で「コーヒーを飲んでも特に変わらない」と感じる方であれば2~3杯/日くらいなら飲んでもらって大丈夫です。

実際に私がかかわっている利用者でも「毎日コーヒー5杯は飲んでる」と笑顔で話すうつ病の方もいるくらいで、カフェイン禁忌問題に関しては「体質による」と抽象的な結論を出さざる負えない結果になります。

5.コーヒーはやめなくていい!デカフェも検討しよう!


「コーヒー飲むと不安になっちゃう…飲まない方がいいかな…」と思われる方にはデカフェコーヒーをお勧めします。

 

デカフェコーヒーはコーヒからカフェインを抜き出したもので、97%~99.7%のカフェインが消し去られています。(商品によってカット率は上下)

 

カフェインレスコーヒーであってもコーヒーのポリフェノールである「クロロゲン酸」は豊富に含まれています

クロロゲン酸には、

・抗炎症効果
・がん予防効果
・腸内環境改善(腸内細菌の餌になる)

などの効果があり、炎症が抑えられたり、腸内環境が改善することによって脳の炎症レベルが下がるとうつ症状の軽快が期待できます

 

コーヒーは単なる嗜好品ではなく「健康飲料」であると声を大にして言えます。

 

「カフェインに弱いけれどコーヒーが好き」という方はぜひデカフェコーヒーを検討してみてください。

6.これを踏まえて看護師はどう関わるか


これらの情報を踏まえて精神看護の現場でどうかかわっていくかを考えます


まずは、コーヒーが好きかどうかというところ。

好きであれば飲んでもらえばいい。
しかし、ここではカフェイン感受性に関しての調査も必要

いままでコーヒー、紅茶を飲んで「不安」「焦燥感」「動悸」が出現したことがあるか。これらを確認する。

 

「ない」と言われれば、飲んでよいと伝えればいいし、「ある」といわれればデカフェコーヒーを勧める方法でいいかと思います。

摂取量に関してはできるだけ3杯までに抑えるよう助言すると良しです。

「わからない」と返答が返ってきた場合はカフェインのリスクを伝え「デカフェコーヒー」を勧めるか今後出現することがあれば注意するよう促します

このリスクを伝えるときに脅すように伝えると「ノセボ効果」(プラセボの反対)が出る可能性もあるので、淡々と伝えること


また、うつ病の利用者は「肥満」である場合が多く、男性に関しては「砂糖とうつ」に関連があるという研究も報告されているので、可能な限りブラックコーヒーで飲むことを勧める必要があります

 

というより、ブラックでなければ肥満やその他のリスクを考えるとあまり飲まない方がいいかと思われます。

【精神看護とコーヒー】

  • 1. コーヒーの嗜好を確認
  • 2. カフェイン感受性の確認
  • 3. 感受性「高」の場合はデカフェコーヒーを勧める
  • 4. 感受性「低~中」の場合は1日3杯までに留めて飲んでもらう
  • 5. 「わからない」の場合はデカフェコーヒーを勧めるorカフェインの影響を確認してもらい「高」ならデカフェへ
  • 6. できる限りブラックコーヒーを勧める。砂糖入りは逆効果の可能性

 

まとめ


今回は「精神看護とコーヒー」をテーマに解説しました。
本記事の内容を以下にまとめます

  • カフェインで「不安」「焦燥感」「不眠」などの精神症状が出現する可能性がある
  • しかし、カフェインが「自殺率」を50%下げるというデータもある
  • 利用者の体質を把握しながらカフェインに弱ければデカフェを検討する
  • 看護師のかかわりに関して確実な安全パイは「デカフェコーヒー」。判断に迷った場合はとりあえずデカフェコーヒーを勧めよう

こんな感じですね。

「コーヒー飲んでいい?」は在宅看護や精神保健福祉士のかたは特に聞かれる内容だと思います。

本記事を参考に利用者にベストな選択をご提案いただければと思います。





【参考文献】

(1) 厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

(2) 食品安全委員会 食事中のカフェイン

(3) 農林水産省 カフェインの過剰摂取について

(4) The Harvard Gazette Coffee drinking tied to lower risk of suicide

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