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腸内環境が悪化するとメンタルを病む理由【認知症との関係も解説】

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今回のテーマは「腸内環境とメンタル」です。
本記事では以下の疑問を解説します。

・腸内細菌とメンタルって関係あるの?
・腸内環境が悪いとどうなるの?
・うつとも関係あるみたいだけど本当?
・認知症とも関係あるの?
・何をしたら腸内環境は改善できるの?



【もくじ】
1.腸内環境が悪化するとメンタルを病む理由
① 炎症でうつ病のリスクが上がる
② 統合失調症患者は腸の炎症レベルが高い
③ 自閉症患者と腸内細菌
④ 甲状腺がやられて無気力に
⑤ 無気力になると加工食品へ

2.認知症と腸内細菌

3.腸からメンタルを改善するには
①加工食品をやめる
②プレバイオティクスを摂る
③発酵食品を食べる
④運動する
4.まとめ

※本記事では太字に目を通すだけでも内容が理解できるようになっています

 

1.腸内環境が悪化するとメンタルを病む理由


腸内細菌は脳の炎症を抑える働きを持っています。

その脳の炎症を抑える物質の一つが、短鎖脂肪酸という物質です。

短鎖脂肪酸は食物繊維を食べた腸内細菌が作る物質で、「酪酸」、「プロピオン酸」がその一種となります。

これらは分子サイズが小さいため脳の門(脳関門)を通り、そこで脳の炎症を抑えます。

脳が炎症を起こすとメンタルが悪化するので腸内環境を意識し、短鎖脂肪酸が作りやすい環境を整え、炎症対策を図る必要があります。

また、この短鎖脂肪酸は腸の炎症を抑え、腸のバリア機能を守る働きもあります。

ほかにも、様々な精神症状との関連も認められているので、順を追って確認していきましょう。

① 炎症でうつ病のリスクが上がる

脳に炎症が起こることでうつ病のリスクが上がります

2013年の研究(1)では、うつ病の症状が大きい人ほど、脳、腸の炎症と酸化ストレスが大きいと報告されています。

うつ病は脳の炎症で起こるという学説もあるくらいで、近年は脳の炎症による症状がうつ病ではないかと言われています。

先ほど解説した短鎖脂肪酸と脳の炎症のメカニズムは、これと関連するところがあり、腸と脳の炎症がうつ病の症状を悪化させ、発症リスクを上げていることがうかがえます

また、2013年の研究(2)では、腸のバリア機能が壊れ、小腸で細菌が繁殖することで不安状態が強くなり、うつ症状が出現すると報告されていたり、2007年の研究(3)では、腸内細菌を含む牛乳を飲むことでうつ病が改善したケースが報告されています。

これらの研究からも、腸内の炎症と脳の炎症にはうつ病との関連が見られます

② 統合失調患者は腸の炎症レベルが高い

統合失調症患者は腸の炎症レベルが高いことが多いです。

2012年ジョンズ・ホプキンズ大学らの研究(4)では、腸を含む消化器の炎症レベルが高い人ほど統合失調症にかかりやすいと報告しています。

また、2013年の研究(5)でも、統合失調症患者は腸のバリア機能が壊れている傾向にあり、腸内の毒素が体に漏れ出すことで体内に炎症が起こることで、炎症レベルが高い状態にあると言われています。

これらの研究で一貫している主張が、腸内環境の悪化が体内に炎症を起こし、統合失調症のリスクや悪化を招いているとのこと。うつ病の機序と似ていますが、やはり炎症は精神症状との関連の深さがうかがえます。

③ 自閉症患者と腸内細菌

自閉症と腸内細菌には関連があります

2010年の研究(6)では、自閉症スペクトラムの患者は腸のバリア機能が壊れている場合が多いと報告されています。

また、2011年カリフォルニア大学デービス校の研究(7)では、自閉症スペクトラム患者に腸内細菌を摂ってもらうことで、炎症が軽減され、腸のバリア機能が回復することによって「過敏性の増加」、「かんしゃく」、「攻撃的行動」、「睡眠障害」などの行動障害が緩和される可能性があると報告しています。

腸と脳は神経、血管、リンパ管を通してつながっているため、腸の不調が脳の不調として現れるのには納得がいきます。

精神症状で悩んでいる場合は、まずは腸内細菌に目を向けた方が良さそうですね。

④ 甲状腺がやられて無気力に

腸内環境が悪化し、腸内細菌が死んでしまうと甲状腺にも被害が出ます。

甲状腺は代謝をつかさどる器官で、「T3」というホルモンを分泌します。これは主にエネルギーの代謝にかかわるホルモンなので、ここが障害されると「無気力」、「疲労感」といった症状が出現します。

 

□代謝とは?
体の中で起こる化学反応」のこと。
1.エネルギーの放出または吸収
2. 物質の変化
※基本的にはこの二つです。

 


「腸内細菌がやられるとなんで甲状腺もやられるの?」という疑問が出てくると思うので、そのメカニズムを大まかに解説します。

1.T3ホルモンが減る

甲状腺ホルモンの約20%は腸内細菌が作り出しています。

腸内細菌がやられてしまうと、当然このT3ホルモンの総量が減少するので代謝機能が下がり「無気力」、「疲労感」が出現します。

2.ミネラルの吸収率が下がる

腸内環境が悪化し、腸に炎症が起こることで要素やセレニウムといったミネラルの吸収が阻害されます

このミネラル分は甲状腺の働きには必須なので、これらの吸収率が下がることで甲状腺機能が低下し、代謝が下がります

3.腸内のバリア機能が壊れるとT3が作りにくくなる

腸内環境が悪化することで腸内のバリア機能が壊れます。

壊れた場所から毒素が血管に入り、全身に炎症が起こります。

そして、リポ多糖類という物質も血管に入り、これが、T3ホルモンの産生を阻害します。


甲状腺と腸内環境の関係は大まかにはこんな感じです。

⑤ 無気力のときは食生活が荒れる

項目「④」で解説した通り、甲状腺機能がやられたり、うつ病になると無気力な状態になります。

無気力な状態が続くと、自炊ができなくなり、加工食品やファーストフードが中心の食生活になります。

そうなると食物繊維の多い食事を摂ることが困難になり、さらに腸内細菌が死んでしまいます

そして、腸内細菌が死ぬことで無気力に拍車がかかり更なるメンタルの悪化が見込まれます

ここを大まかに解説すると

1.腸内細菌が死ぬ
2.無気力に
3.自炊できなくなる
4.加工食品中心の生活に
5.1に戻る


この繰り返しになります。
こころあたりのある方は習慣の改善を意識したほうが良さそうです。

2.認知症と腸内細菌


認知症の発現や悪化にも腸内細菌が関連しています。

認知症高齢者の腸内はバクテロイデスと呼ばれる細菌が少ない傾向にあります。

これは以前「デブ菌、痩せ菌」の記事で解説した「痩せ菌」に該当するものです。

俗に痩せ菌といわれるバクテロイデスが少ないことで認知症のリスクを上げる(7)と言われています。

それらの、メカニズムはまだ詳しくは解明されていませんが、体脂肪を排出する効果のある細菌でもあるので、体内のバクテロイデスの量を増やすに越したことはなさそうです。

バクテロイデスの増やし方についてはこちらの記事で解説していますので参考にどうぞ。

3.腸からメンタルを改善するには


メンタルを腸から改善していく考え方は非常に有用
であると言えます。
この章ではその方法を解説します。

① 加工食品をやめる

加工食品をやめることです。
良い習慣を取り入れる場合はまず、悪い習慣をやめることが前提条件になります。

ここでいう加工食品は「ポテトチップス、クッキー」などのスナック菓子や「ハンバーガー」などのファーストフード、「ジュース」などの清涼飲料水がこれに該当します。

加工食品に含まれている大量の脂肪や精製された砂糖は腸内細菌を死に追いやります。それにより腸内細菌の数が減少することで、免疫機能が下がり、全身の炎症レベルが上がり、メンタルの状態が悪化します。

いきなりやめるのは難しいと思うので少しずつ量を減らしたり、たまの贅沢にしながら加工食品の摂取量を減らしていけるとベストです。

② プレバイオティクスを摂る

プレバイオティクスは腸内細菌の餌のことで、似たような単語でプロバイオティクスというものがあります。こちらは腸内細菌本体のことになります。

・プレバイオティクス:腸内細菌の餌
・プロバイオティクス:腸内細菌

 

プレバイオティクスを摂るということは腸内細菌に餌を与えるということ

プレバイオティクスですが、食物繊維、オリゴ糖、ポリフェノールがこれに該当します。

食物繊維が豊富に含まれているジャガイモやサツマイモなどの芋類や果物、葉物野菜を中心に摂取し、日常的にオリゴ糖を取り入れるとよいです。

オリゴ糖は、プレーンの無糖ヨーグルトやコーヒに入れると摂取しやすいです。適量は大さじ一杯/日で問題ないです。

ポリフェノールは果物やコーヒー、緑茶、ココアから摂取すると日常に取り入れやすいかと思います。

(※各食材の効果はこちらの記事で解説しています。)

③ 発酵食品を摂る

発酵食品を常食すると腸内環境が良くなります

発酵食品にはその食品特有の細菌が住み着いており、種類を変えながら摂取することで腸内細菌の多様性を増やすことができます

多様性が増えることによって、酪酸の産生能や免疫機能が強化され、炎症レベルが低下することでメンタルの改善が期待できます

納豆をベースにキムチやザワークラウト、味噌、ぬか漬け、チーズやヨーグルトを好みで回しながら摂取してもらえると良いかと思います。

④ 運動

運動することで、体内の炎症レベルを下げることができます

他にも、運動には腸内細菌を増やす効果があるので、炎症対策、腸の保護効果から腸内環境にアプローチすることができます

運動の方法ですが、具体的には散歩でOKです。
最低15分、可能であれば1時間の散歩を毎日の習慣に取り入れることがベストです。

まとめ

今回は「腸内細菌とメンタル」をテーマに解説していきました。
本記事の内容を下記にまとめます。

・腸内環境の悪化から腸と脳に炎症が起こりメンタル機能が悪化する

・腸内環境が悪化すると甲状腺にもダメージ。無気力状態となってしまう。

・腸内細菌(バクテロイデス)と認知症は関係しているがそのメカニズムは不明

・第一に加工食品の摂取を控えよう。話はそれから

・発酵食品、プレバイオティクスを食べて運動して腸内環境を改善しよう


こんな感じですね。
腸内環境に焦点を当ててメンタルを改善する際にはまず、加工食品をやめていくことが重要になります。そこから少しずつ腸内環境に良い習慣を取り入れていくと良いです。

 

【参考文献】

(1) B.J.Rawdin,S.H.Mellon(2013), Dysregulated relationship of inflammation and oxidative stress in major depression

(2) Alison C Bested, Alan C Logan(2013), Intestinal microbiota, probiotics and mental health: from Metchnikoff to modern advances: Part II – contemporary contextual research

(3) Department of Psychology, University of Wales Swansea, Wales(2007), Impact of consuming a milk drink containing a probiotic on mood and cognition.

(4) Johns Hopkins University School of Medicine(2012), Gastrointestinal inflammation and associated immune activation in schizophrenia.

(5) Stanley Division of Developmental Neurovirology, Department of Pediatrics, Johns Hopkins University School of Medicine(2013), Discordant patterns of bacterial translocation markers and implications for innate immune imbalances in schizophrenia.

(6) Department Magrassi-Lanzara, Gastroenterology, Second University of Naples, Italy(2010). Alterations of the intestinal barrier in patients with autism spectrum disorders and in their first-degree relatives.

(7) Naoki Saji, Shumpei Niida(2019), Analysis of the relationship between the gut microbiome and dementia: a cross-sectional study conducted in Japan

 

 

 

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