アドラー心理学が学べるベストセラー本「嫌われる勇気」
※タイトルがネガティブになってしまったことをお許しください※
元々この記事は有名なベストセラー本「嫌われる勇気」のレビューを
書こうとしたんですが、検索かけると既にズラッと同じような内容や感想の記事が。(笑)
私もたぶんレビューを書こうとすると同じような記事になってしまうと思ったのと、
アドラー心理学や嫌われる勇気の肯定的な意見が目立ってるので、
あえて否定的な意見を書いていこうかと思います。
嫌われる勇気ってどんな本?
今もamazonとかで人気の本ですね。売上もすごい部数みたいです^^
(今の時点で75万部、韓国でもヒットして売れているようです)
私がこの本の存在を知ったのは大学院にいた頃なんですが、
その時に帰宅途中の電車の中に偶然広告が出てて、タイトルを見てピンと来たので購入しました。
内容は検索すればいろんな人が感想を書いてるので、
どんなものなのかなんとなく掴めると思います。
ちなみに私はアドラー心理学は心理学の要素も含んでいますが、
自己啓発系の色合いの方がかなり強いような印象を受けました。
ちなみに私はこの本が好きですし、アドラー心理学も好きです。
「目から鱗」だと評する理由も分かりますし、哲人と青年の対話も面白いです。
…が、ネット上のレビューを見ても分かるように、
不思議とアドラー心理学に対する否定的な感想が少ないんですよね^^;
ですので、アドラー心理学の危険性や合わない人について書いていこうと思います。
アドラー心理学は人によっては「劇薬」ではなく「毒薬」になる
アドラー心理学は劇薬であると言われています。
巷でも「厳しい」と評されてますが、実際私も読んでいる時に厳しいと感じたことがあります。
読み手にもよるかもしれませんが、
メンタルヘルスに特に問題を抱えていない人であっても、
書かれている内容は厳しいと感じるほどです。
察しの言い方は分かってしまうかもしれませんが、
アドラー心理学が劇薬どころか毒薬になってしまう人がいます。
アドラー心理学はうつ病の人や自己否定する傾向がある人が触れるのはオススメ出来ない
嫌われる勇気の中でも出てくるアドラー心理学の有名なフレーズや言葉がありますね。
例えば以下のようなものです。
- 「トラウマなんて存在しない」
- 「目的論」
- 「悲しいから泣くのではなくて相手の気を引くために泣く」
少しいじわるですが、これを言い換えると…。
- 「それトラウマだって言い訳して逃げてるだけじゃん」
- 「それ親に愛されなかったからじゃなくて親の気を引くためにやってるだけなんでしょ」
- 「それ同情して欲しいから泣いてるんでしょ」
これを見てアドラーの指摘がかなり厳しいと感じる人もいると思います。
上記のことを言われるとおそらく多くの人が、
自分の中にある「甘え」や「弱さ」を指摘されている、自分を否定されていると感じると思います。
実際に私も痛いところを突いてくるなと感じました。
そして、ここからが本題ですが、
ここまでの話でアドラー心理学や嫌われる勇気が合わない人が出てくると思います。
簡単に言うと、自分のことを本気で駄目だと思っている人です。
つまり、自己否定が強い人です。
自己否定から発症する定型うつの人も合わないと思います。
(非定形うつは分かりませんが)
自分のことを駄目な人間だと思いこみ、自分自身に価値を見いだせずにいる人が
上記のようなことを言われると以下のように取ってしまう可能性があります。
- 「それトラウマだって言い訳して逃げてるだけじゃん」→言い訳して逃げてる弱い自分は価値が無い
- 「それ親に愛されなかったからじゃなくて親の気を引くためにやってるだけなんでしょ」→誰かの気を引くために引きこもって仕事にも行かず社会復帰できない自分は最低だ
- 「それ同情して欲しいから泣いてるんでしょ」→誰かに同情してほしいなんて思っている自分は嫌な人間だ
基本的に定型うつ病の人は、どんなにその人自身が優秀であっても、
自分のことを駄目で価値のない人間だと信じ思いこんでいます。
そんな鬱状態の人からすると、
自分の「甘え」や「弱さ」を指摘され打ちのめされることは、
その傷を更に深めることになります。
そうすると、うつが更に悪化し最悪の事態も想定されます。
(実際にamazonの低評価レビューを見ましたが、精神的に不安定になった人がいるようです)
こうなってしまうと、もう劇薬というレベルを超え毒薬になってしまうように思います。
アドラー心理学は自己啓発本の一種ですので、
今よりもう少しくらいなら頑張れるかもというような余裕のある人には、
自分を成長させる良いきっかけとなってくれる本かもしれません。
ですが、もうこれ以上頑張れないという所まで精神的に余裕のない人や、
それが何らかのきっかけで爆発してうつ病にかかってしまった人。
そのような人がこの本を読むと毒になってしまう危険性が高いので避けた方が無難です。
アドラー心理学は万人には通用するものではなく限界がある
アドラー心理学は人によっては、
人生を変える本になる可能性も十分秘めていると思われますし、
目から鱗の内容だと思います。
ただし、上記したようにうつ病の人など、人によって合う合わないはあると思うので
残念ながら万人に通用する万能なものという訳ではないように思います。
amazonでもやたら評価が良いですし、
うつの人は過剰に頑張りすぎてしまう人が多いので、
うつの回復期にある人がこの本を手にとって「もう一度頑張ろう!」と思うかもしれませんが、
それをするとまた再発したりぶり返す可能性があるのでオススメは出来ません。